同じ夢 |
「・・・嫌な・・・・夢・・・」 「ユネ?大丈夫か?」 「・・・・起きてた?・・・・」 「わりい!ビックリさせたか?眠れなくてな、シッカも下に行っちまうし。何か・・・こう、夢見が悪いつうかさ」 「・・・・夢・・・見?・・・・」 「ああガキの頃からちょくちょく見る嫌な夢だ。最近はあまり見なくなってたんだけどな」 「・・・・嫌な・・・・夢?・・・」 「熱くて、苦しくて、息が出来ない。必死になって目の前の女の人に助けを求めるんだけど・・・」 「・・・・女の人?・・・・」 「動かねえんだよその人。泣いてんのかなんだか知らねえけどさ。ゆね、お前は?お前も嫌な夢、見たんだろ?」 「・・・・悲しい・・・夢・・・・」 「悲しいのか?何が?」 「・・・・同じ・・・琥珀と・・・・」 「同じって、俺のは悲しくないぜ?」 「・・・・熱くて・・・・苦しくて・・・自分は多分・・・物凄い子供で・・・もう1人・・・側に・・・・」 「もう1人って女の人とは違うのか?」 「・・・・違う・・・男の子・・・・・・・泣き叫んでる」 「それって、同じ夢なんじゃないか?俺達、同じ夢を見てるような気がする。ユネ、お前はいつからその夢を見てるんだ?」 「・・・子供の頃?・・・ずっと繰り返し・・・・その続きを見るのが・・・・怖くて・・・・寝ない日も・・・・」 湧泉音は窓の外にいるもよこを見つめて手招きした。 「おい。ユネ・・・・アイツ」 「・・・もよこ・・・入って・・・・いいよ」 「イヤ、そいつ、暑苦しいし。まあいいけどお前を心配してるみたいだし」 「・・・うん・・・気にして・・・くれてる」 「だけどあれだぞ、もよこお前さあ、窓に顔くっつけてジッと覗き込むのはやめろよ。怖いぞ!逆に」 「・・・・傷つき・・・やすいのに・・・もよこは」 「冬はなあ、純毛100%だからいいけど、ああでも上は冷たくて気持ちいいよな。顔だけよこせ!こっちに!!」 「・・・嫌がってる・・・・・」 「ウッセえつべこべ言うな」 「・・・もよこ・・・口は悪いけど・・・琥珀・・・本当は・・・やさしい・・・・奴・・・・」 「ああ何だって?」 「・・・・いや・・・べつに・・・・」 「ふん。こうやって2段ベッドなんかに寝てるから、同じような夢を見るのかもしれねえな。シンクロか?これも」 「・・・・でも・・・いい感じ・・・・」 「そうだなこんな狭い所に寝ると、何かガキに戻ったようなちょっと安心するつうかさ」 「・・・・安心で・・・安全・・・温かい」 「ああ?温かいって暑いの間違いじゃねえの?それとも気持ちのことか?」 「・・・・気持ち・・・・うん・・・・心・・・・」 「心が温かいか」 |