お砂糖・・・5杯 |
私だって忙しいとストレスが溜まってチョコレートに走るから、湧泉音が重症のシュガーブルース(砂糖中毒)だとしても人のことは言えない。 但し、私の場合は甘いものイコール体重計との睨めっこなのに・・・ 湧泉音ときたら、厚切りでしかもあんなにたっぷりのマーガリンにたっぷりのシナモンに、グラニュー糖がのったトーストの2枚目に手を伸ばそうとしている。 「ゆね、コーヒー飲む?」 「・・・・ミルク・・いや・・コーヒーも・・・欲しい」 1本・2本・3本スティックシュガーが、結局5本液体に溶けていった。 もうそれはコーヒーとは違う、恐らく別の飲み物なのだろう。 そんなことを思いながら見ていると、スプーンで液体をかき混ぜる湧泉音の手が止まった。 「どうしたの?」 「・・・・ん・・・・昔も・・こんな感じで・・・・」 「スティックシュガーを5本も入れてたの?」 「いや・・・じゃなくて・・・・・・・」 「じゃない、昔って?」 「・・・誰かが・・・・同じように・・・・」 「パパとママじゃないの?」 「・・・それも・・・違う・・・すべてがモノクロの・・・」 「モノクロの?」 「・・・デ・ジャ・ビュ・・・みたいな・・・・」 |