無題ドキュメント 46
お砂糖・・・5杯
私だって忙しいとストレスが溜まってチョコレートに走るから、湧泉音が重症のシュガーブルース(砂糖中毒)だとしても人のことは言えない。
                        
但し、私の場合は甘いものイコール体重計との睨めっこなのに・・・
湧泉音ときたら、厚切りでしかもあんなにたっぷりのマーガリンにたっぷりのシナモンに、グラニュー糖がのったトーストの2枚目に手を伸ばそうとしている。
「ゆね、コーヒー飲む?」
「・・・・ミルク・・いや・・コーヒーも・・・欲しい」
1本・2本・3本スティックシュガーが、結局5本液体に溶けていった。
もうそれはコーヒーとは違う、恐らく別の飲み物なのだろう。
そんなことを思いながら見ていると、スプーンで液体をかき混ぜる湧泉音の手が止まった。
「どうしたの?」
「・・・・ん・・・・昔も・・こんな感じで・・・・」
「スティックシュガーを5本も入れてたの?」
「いや・・・じゃなくて・・・・・・・」
「じゃない、昔って?」
「・・・誰かが・・・・同じように・・・・」
「パパとママじゃないの?」
「・・・それも・・・違う・・・すべてがモノクロの・・・」
「モノクロの?」
「・・・デ・ジャ・ビュ・・・みたいな・・・・」